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預金の金利はどうやって決まるのか?国債と経済の連動を学ぶ

低金利の原因

銀行に定期預金をすると利息が付きます。僅かな金額ですが、銀行からお金が振り込まれているのを見ると嬉しい気持ちになるものです。1年物の定期預金は今や僅か0.03%ですがふた昔前は同じ定期預金でも5%も6%ありました。20数年前と比べて何と200分の1の金利です。どうしてこんなにも金利が違ってくるのでしょうか?

教科書的な説明をすると、普通は金利が低い方が企業がお金を借りやすくなって経済が活性化するので、経済が低迷期にある場合は一般的には金利は引き下がる方向に走ります。それでも経済が上向きにならない場合は更なる金利の引き下げに走ります。バブルがはじけて以来数十年はこの繰り返しでした。銀行は預金を集めてその資金で融資しますので、貸出し金利が下がれば銀行の利息収入が減少します。利息収入が減少すると当然銀行は預金金利も下げて行くのです。これが今の低金利の直接的な原因です。

国債の簡単な仕組み

金利の決定要因に大きな影響を及ぼす国債というものがあります。国債の動向を知る事は金利の動きや経済の先行きの事を知る為にとても重要な事です。しかしながら国債はその残高ばかりがクローズアップされ、余り良く知られていないのが実情です。理由は若干その仕組みが分りにくい事にあると言われています。今回はその国債について少しだけ説明したいと思います。

国債とは簡単にいって国の借金の事です。日本の国債の残高は800兆円とか言われていますが、何だかピンときません。その特殊性は国債に流通性がある事、つまり国債が有価証券であるという事です。似たような種類のものに定期預金がありますが、定期預金に流通性はありません。定期預金を作った時、資金が必要になったら満期まで待つか中途解約するしかありません。これに対して国債は中途解約という概念がありません。満期まで待てずに資金が必要になった時は「売却」するしかないのです。ですので国債は売買され流通しその価格は変動します。利息はその支払い日に、国債を持っている人が受け取る権利があり、満期の元金は最終的にその国債を所有している人に支払われます。定期預金の様に最初に定期を作成した人に支払われる訳ではないのです。

国債の仕組みを極く簡単に説明します。10年物利付国債というのがあります。これは満期が10年先で利息が半年に一回支払われる一番オーソドックスな国債です。発行するのは日本政府です。日本政府が10,000円1%10年という条件で国債を発行して、Aという人が10,000円で購入して10年間保有していれば、毎年100円の利息と10年後に10,000円の元金が償還されます。その時の利回りは当然1%です。

ポイントはこの10,000円の国債の価格が時価で変動するという事です。Aは持っている国債の価格が10,500円になったのでBに売却しました。1年丁度保有して10,500円で保有した後の売却であれば利息100円と売却益500円の利益となります。利回りは合計6%になります。10,500円でこの国債を買ったBが満期まで持っていると、9年後には10,000円の元金がBに振り込まれます。利息は900円です。Bは10,500円で購入して10,000円の満期金が入ってくるので利息との差引で合計400円の利益になります。利回りは0.44%となります。

国債の値動きと金利の関係

この理屈が分れば様々な経済的な現象が分かってきます。国債の価格が時価で変動するという事は国債も需要と供給の関係で変化するという事なのです。つまり、国債の需要が増加すれば国債の価格は上昇するのです。重要な事は満期に償還される金額と、満期までに支払われる利息の金額は、国債の時価額に関係なく確定してるため、国債の金額が上昇して行けば行くほど所有者の利回り、つまり元金に投資して受け取る利息の割合が低下して行くのです。これが国債の価格と利回りの関係です。国債の金額が上昇すれば利回りつまり金利が低下して行くのです。

どういう状況の下で国債の価格が上昇して行くのかというと、金利が下降局面にある時です。10年国債は10年間現在の金利が確定しているので下降局面には買いが入って価格が上昇しやすいのです。金利の下降局面と言えば先に言った経済の下降局面です。つまり今後も経済の下降局面が続き、金利が下降していくと予想すれば国債を購入すれば、将来価格が上昇して利益が確保できると考えられるのです。

国債は普通はロットが高く、簡単に欲しい銘柄を簡単に購入する事は困難です。しかしその金利の変化は多くの経済の動きを示唆しています。直接市場の金利に働きかけるのは中央銀行ですが、中央銀行はこうした国債等の需要などを綿密に調査した上で金利の調整をして、金融政策を決定しているのです。

ですので国債の金利を注意深く見て行けば、今後の経済の先行きはっきり分からない迄も その方向性や、今の経済がどういう状況なのか理解する一助になるのです。