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銀行員カードローンのノルマ、融資量の増加目標

融資量の増加は銀行の永遠のテーマ

銀行の営業マンが苦労するのものの一つに融資量の増加という、銀行にとっても永遠のテーマがあります。融資量の増加は、銀行本体そのものがその年の融資量の増加を発表している所から始まります。今年の利益計画は○○億円だから、その内事業融資の利息で○○億円、住宅ローン融資の利息で○○億円、投資信託や保険料販売手数料で○○億円等というようにそれぞれ経営陣が金額を積み上げて行きます。手数料は集めた金額そのもの絶対的な利益になりますが、融資はちょっと様子が違います。何億もの融資先が突然倒産する事もあるし、それになりより融資量は毎月の約定返済というものがありますので、何もしなければ基本的に減少して行く運命にあります。

融資の利息収入は融資量×金利で計算されます。ですので、融資量でこれだけの○○億の利息を稼ぐという目標を立てた時は、その毎月の返済で減少する分も加味して、融資量を増加させなければならないのです。そしてその銀行全体で増加しなければならない融資量を、支店にノルマとして割り振るのです。細かい所はどうあれ、大体どこの銀行も似たり寄ったりの話です。

融資量増加のノルマを達成する為に

こうして支店に割り振られたノルマは、その支店の行員に更に割り振られて行きます。融資量のノルマであれば普通は融資営業の担当行員に割り振られます。銀行の営業店で融資の営業マンが先ず最初に行う融資量の増加対策は、既存融資先への融資の打診です。今迄返済した分の再度借り直しを進めたりするのですが、必要のない資金を借りる事は通常考えられません。定期預金のようにお願いして預金してもらう様に、お金を借りて貰う事は普通はあり得ないからです。しかしいかに支店の取引先に交渉して融資量を増やしても金額に限りがあります。支店の取引先だけでは駄目な時は、自行の取引のない企業を探し出して融資先を発掘するしか方法は無いのです。

銀行の営業担当者が銀行の外に出かけて行き、新規融資の営業をして回るのです。但しやたらに営業する事は出来ません。時折簡単に「そんなに言うなら借りてあげてもいい」という企業の社長や財務担当者がいますが、こういう企業に限ってほぼ間違いなく融資不能の場合が多いのです。ですので担当者は事前に自行の取引のない「優良」先を目途を付けて片っ端から当たって行くのです。いわゆる大企業は、銀行の営業マンの話等聞く事はあり得ません。対象先はあくまで、直ぐに社長か財務担当責任者と話しの出来る地場の「優良」な中小企業です。

新規融資営業でありがちな失敗

例え訪問した時に会って話を聞いてもらっても、その会社に資金需要が無くては話しになりません。又第一融資出来る先でないと話しになりません。営業マンは事前に興信所のデータや、同業者の口コミ等を調べて訪問するのですが余り信用できない事が多いのです。融資が可能かどうかの判断の多くは「決算書」の内容によります。即「黒字=融資可」「赤字=融資不可」というように見られがちではありますが、必ずしもそうではありません。貸せる先かどうか、とにかく決算書が見たいのですが、しかし自行に取引がないので実際の「決算書」は当然事前に目にする事は出来ません。

決算書が無くて色々財務担当者と話をしながら、この企業が融資出来る優良先かどうか見極めて行く事が重要なのです。 私の同僚は、支店のデータとして優良先という位置付けの企業を継続して訪問を続けていた所、いざお金が必要になったという時に融資の依頼を受けました。喜び勇んで決算書を貰って審査に回した所、残念ながら否決になったのです。その会社自体は単体では確かに優良だったのですが、関連する会社に多くの不良債権が存在していたのです。そして最悪の話しで、その企業の社長が銀行担当者が「貸せると言ったではないか」と騒ぎ出したと言うのです。

同僚が言うには、融資が出来ると一言も口にしてはいなかったとの事なのですが、どうも態度としてその企業の財務担当者や社長に対していつでも貸せるという判断をさせてしまったようでした。銀行員は正式に融資が決裁になるまで決して「貸せる」とは言葉にしません。しかしこの同僚は口にはしないけれども、関心を引き付けておくためのそれなりの態度を取ったのかもしれませんし、企業側が融資の審査が否決にされた腹いせに、只単に騒いだだけなのかもしれません。この話は銀行の本部まで及び、担当のブロック長がその企業に謝罪に行き結局何事もなかったように収まりましたが、銀行の融資営業の怖さを垣間見た時でもありました。