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自己査定って知っていますか?企業ランクと融資対象

普通に考えて預金や土地建物は資産です。それに対して借入金や未払金は負債になります。企業が銀行から借入を行い、借入金をその銀行の預金口座に入金したら借入金は負債、預金は資産になります。何故こんな当たり前の話をするのかというと、今回はお金を貸す側、融資する側の事情を話したいからです。

融資を受ける為には、自社の事情を上手く金融機関に対して説明する事が大切になって来ます。資金の必要性から始まり、その受ける融資について、いかに問題無く返済していけるのかという事を資料を用いて説明しなくてはなりません。その為には他社にはない自社の強みや反対に弱み、同業他社の状態、業界の今後の同行等を知っておかなければなりません。その反面融資する金融機関サイドの事情も、色々知っておく事も非常に大切な事です。銀行の融資事情を知っておくと、銀行との色々な交渉場面において大きく変わってくるからです。銀行から融資を受けるに当たって是非知っておきたい事項に「自己査定」というものがあります。

自己査定とは融資先の健全度に対する格付分類作業

銀行が顧客から預かった預金は、預けた側からすれば資産ですが預かった銀行にしてみれば負債になります。預金者から請求があれば、銀行はいつでも現金に換金して預金者に償還しなくてはならないからです。そしてその預金を原資として融資した資金は、銀行からしてみれば資産になります。預金に利息が付くのは銀行がその預金を使い、企業等に融資してそこから利息を回収しているからです。気が付くと普通預金に僅かなりとも利息が付いているのは、企業が銀行から借りて払った利息、又一般個人が住宅ローンの利息として銀行に支払った利息の一部からなのです。

企業は利益を求めて日々活動しておりその業績も日々変動します。今現在は絶好調で日の出の勢いであったとしても、明日も明後日もこの好調さが保証される訳ではありません。勿論最悪の場合倒産もします。ですから銀行はその最悪の場合の事を考えて担保を取ったり保証を取り付けたりするのです。

銀行が健全であるのかそうでないのかは融資先の企業の状態によります。その融資先企業の状態を判断するのが「自己査定」なのです。「自己査定」とは銀行の融資先を業績によって幾つかの種類に分類してその企業の健全性を判断するというものです。業績が良好で財務内容にも問題が無い先は「正常先」となり、普通かそれ以上というものです。問題はそれ以下と判断された時です。それ以下には3つのランクがあり、上から「要注意先」「破たん懸念先」と続き最低ランクは「破綻先・実質破たん先」と呼ばれます。自己査定とは、銀行のある一定金額以上の融資先を、一先毎この4つのランクに分けて行く作業の事を言うのです。ポイントは返済が遅れている先は「正常先」より下のランクに分類されますが、必ずしも返済が遅れていなくても「正常先」より下のランクに分類される事が多くあるのです。つまり決算書等の財務内容に大きく依存している事です。

Aという銀行の融資先が全て「正常先」であったなら、その融資は全額問題無く償還されるという判断を下されたという事です。仮にBという銀行にそれ以下のランクで分類された企業が多く存在したとすれば、将来的に融資が焦げ付くと判断された事になるのです。そうすると、その将来焦げ付くと予想された金額を、その判断を下した時点で融資金額から先に引いておこうとするのです。これを「引当金」と言います。先程いった通り企業への融資金は銀行に対しての資産ですので、将来の焦げ付き発生予想額が多くなればなる程資産に対する「引当金」は大きくなり、B銀行の健全性は低くなるという訳です。

自己査定分類の最終判断者は金融庁

例えばB銀行の融資先企業のCという会社が、今回の自己査定によって「要注意先」と分類されたとすると、Cへの融資金のうち将来焦げ付くと見込まれた部分に、引当金が積まれます。要するに先に勘定だけ焦げ付き部分を費用計上しておき、実際に破綻した時の為に備えておくというものなのです。B銀行は結果このCへの融資は今後慎重に成らざるを得ません。Cの業績が回復して「正常先」への分類変更が無い限り、Cへ融資すればするほど費用が嵩張っていく事になる訳です。

自己査定でランク分けの判断をするのは金融庁です。金融庁検査が銀行に来てある日突然銀行担当者が来て、今後融資に対して困難になった等という時はこの「自己査定」で「正常先」より下のランクに分類された可能性があります。万が一そうであったら銀行担当者とよく話して今後の対応を検討すべきなのです。

この「自己査定」の対象となるのは、一定の借入金額以上の企業ですので融資先企業の全てが自己査定の対象となる訳ではありません。しかしこの考え方は銀行融資の基本となるものですので知って損はありません。