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初めての事業資金の借り方

銀行融資の原則

初めて銀行から融資を受けようとする時はやはり色々考えてしまうものです。担保、金利、返済方法等何から何まで初めての場合戸惑ってしまうのが普通です。銀行は一体どういった基準で融資するのでしょうか。年収の10分の1くらいでしょうか?担保の範囲内?そんな誰にでも分り易い審査基準の様なものがあるのでしょうか?

一般事業性資金の融資業務を行う金融機関の形態には都市銀行や地方銀行、信用金庫、信用組合等様々で、数多くの銀行や信用金庫が存在します。基本的にそれらの金融機関は全くの別会社なので、融資に関する考えや取り組み姿勢は全く違います。しかしどの金融機関にも、融資に対する最大公約数的な原理原則の様なものは存在します。

融資5原則というものが存在します。普通銀行員が新人の時に融資業務等の研修を受ける時に、必ずと言っていい程教えられる言葉です。具体的には「公共性の原則」「安全性の原則」「収益性の原則」「流動性の原則」「成長性の原則」の5つです。詳細は省きますが要するに、融資を行う上で一番最初に考える言わば大前提の様なものです。銀行の融資における審査の観点も、多くはこの原則から派生したものばかりです。

こういう話をすると余りピンと来ないかもしれませんので、少し分り易く言うと銀行が融資する時の最大のポイントは「資金使途」「返済原資」「保全」この3つに集約されます。 「資金使途」とは融資を受けた資金で何に使うのかです。運転資金なのか設備資金なのか使途を明確にしない融資は存在しません。「返済原資」とはどうやって返済するのかです。商品を販売してから一括して返済するのか、分割して返済するのかなどです。「担保」とは抵当権や質権等の債権保全の事です。もしもこれらのどれか一つでも欠けたら、融資を受ける事は出来ません。銀行から融資を受ける時これら3点の事を常に意識しておくと、銀行員との融資交渉に便利です。

返済原資とは

ここではその3点の内の「返済原資」の観点から少しだけ述べたいと思います。先にも述べましたが「返済原資」とは「どうやって返済するのか」です。例えば1,000万円の機械を導入する計画を立てたとします。やり方として事前にファイナンスの組み立てをしておくのです。良い方法は先に銀行で実績を作っておくのです。毎月20万円位の積立てを1年位行い、溜まった預金を自己資金に統てるのです。そして1,000万円の設備資金のうち、自己資金200万円融資申し込み資金が800万円という組み立てで、積立をしている銀行に融資金を申し込むのです。

出来れば売上金を振り込んでいる銀行に融資申し込みをするのがベストで、預金も常時返済金額以上の残高を残しておく事が望ましいです。導入する機械でどれだけ利益を上げられるのかも勿論大切ですが、先の事は口や書類で説明してもなかなか伝わらないものです。ですので、「機械を導入する前の状態でも返済出来る」という事を、多少無理をしてでも先にこちらから数字で実績という形で作っておこうとするものです。

ここまでやればその銀行の融資担当者が、支店でかなり楽に稟議書を作成する事ができます。多少書類上で返済可能かどうか示す事が困難な場合でも、実績があると主張出来るのです。更に言えば長期の返済金は利益から返済するというのが銀行融資の大前提です。利益とは売上から全ての経費を控除した残りの金額の事をいい、これを利益償還と言います。ですので800万円の融資を受けて返済元利金が月に20万円となるのであれば、利益償還をしようとする為には、その会社の年間の利益が240万円以上ある事が条件という事になるのです。

計画性を持った資金調達

銀行融資は様々な観点から審査を受けます。今回は返済原資に的を絞って説明しましたが今回の話はあくまで考え方の一般論で、利益償還出来なければ融資を受ける事が出来ない訳では決してありません。様々方法で融資を受ける道が存在するし、又可能でもあります。しかし銀行から事業性の融資を受ける為には、行き当たりばったりではなく、先に述べたような計画を立てて、それなりの準備と段取りをしておいた方が有利に事を進められる事は間違いありません。