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住宅ローンの金利はまだ下がる?

住宅ローンの金利はその時の経済や金融の情勢によって、日々変化しています。過去30年程前の民間の住宅ローンの金利を遡ってみた所、8.5%位が平均値だったようです(主要都市銀行の金利を集計した中央値~住宅金融支援機構HPより~)。その後金利は低下の一途を辿って近年の低金利となりました。

あるネット銀行の住宅ローンの最優遇金利は0.539%です。勿論住宅ローンの金利には各種適用条件等があったり、銀行によって取り扱い手数料、保証料等があり簡単に表面金利のみを見て比べられません。他に抵当権の設定や印紙代等でも金利に含まれない費用が多数存在する等する為、一概に低い金利と決めつける事は出来ないのですが、単純に計算して0.539%は8.5%の15分の1以下の金利です。ここまで下がったのだから、住宅ローンの金利は、今後はもう下がって行かないのでしょうか?それともまだまだ下がって行くのでしょうか?

住宅ローンは銀行にとって大切な主力商品

銀行の最良のモデルは、低金利で預金等の資金を調達して多くの貸出し金利を得る事です。預金保険の保護により一定金額までの預金はノーリスクなので、銀行はその気になって高い金利を付けさえすれば資金をいくらでも集める事が出来るのです。しかし、高金利で集めた資金は高金利で運用しなくては、自行の利益や費用を取って預金者に利息を支払う事が出来ません。高金利での融資は低金利の融資に比べて、貸す側の銀行にとってみればリスキーなものになります。

よって銀行にとっては、定期預金等の高い利息を払って資金を調達するのではなく、普通預金等の、出来る限り費用のかからない資金調達を行う事が永遠のテーマなのです。普通預金の量は色々なチャネルで増えて行きます。それは税金の取り扱いであったり、年金の振込であったりします。年金の振込口座に指定すると、変更が無い限り生涯その年金はその金融機関に振り込まれます。

そしてその一つの重要なチャネルが給料振り込みの口座指定です。ですので、この「給料振込口座指定」を多くの銀行が住宅ローンの金利優遇の条件の一つにしています。住宅ローンを組む事により、個人の家計のメイン化を図ろうとしているのです。これが多くの銀行が競って極限まで金利を下げ、住宅ローンの取り込みを狙っている理由の一つです。

住宅ローンの金利

今現在住宅ローンの金利変動に与える大きな要因のひとつに、長期金利と呼ばれるものがあります。10年新発国債の流通利回りの事です。住宅ローンの金利はこの長期金利と連動しているという事です。勿論上乗せ幅+αで推移している訳ではありませんが、概ね連動して動いていると考えて差し支えありません。

過去の国債の金利情報を調べてみたら平成2年10月辺りが最も高く7.7%前後を記録しています。住宅ローンの金利もその時期の金利が一番高く大手都銀の平均値で8%を記録しています。ここ数年の長期金利の動きは極めて低く平成27年1月20日に取引期間中に0.2%を切り0.195%と、史上初めて1%台に突入しました。繰り返しますがそれはつい最近、今年の1月20日の事なのです。直近では平成27年5月に入ると概ね0.4%台で推移しています。今後の国債金利の推移を予想する事は、住宅ローンの今後の金利を予測する事に他なりません。では一体長期国債の金利はどのようにして決まっていくのでしょうか?

長期国債の金利の決まり方

長期金利は国の金融政策に大きく依存します。直近の所で黒田総裁の率いる日銀は、平成26年10月量的緩和の追加政策を発表しました。その中の大きな柱が国債の大量購入です。国債は日本政府が発行する借金ですが、その新規発行金額の7割近くを日銀が購入するというものです。この政策のお陰で政府は安心して国債を発行でき、銀行等は保有している国債を売る事が出来るのです。つまり今現在国債は大きく値崩れしない構図になっているのです。

長期国債は景気が悪くなると買いが入り金利は低くなっていき、景気が良くなると売られ金利が高くなる傾向にあります。今現在は株価も数年前と比べ上昇しているので、本来であれば同時に国債も売られて金利は上昇傾向にあるべきなのですが、日銀の金融政策のお陰で金利は上がるどころか寧ろ低下傾向にさえあります。

これは現在の国債が桁外れの残高となっている事から、国債の金利が少しでも上昇すると国の利払いが上昇してしまう為、「日銀が金利が上がらな様にする為国債を購入している」とも言う事が出来なくもありません。日銀は2%の物価目標を目指していますが、金利については言及していません。同じように長期金利まで2%も上昇したらとんでもない利払いになってしまいます。

住宅ローンの金利は、個人的にはここ数年は今現在のボックス圏内の中で推移して行くものと予想押しています。しかしいつかは量的緩和はやめなければならないし、日銀の国債購入も限界に来ているのではないかとの声も聞かれます。その時はどのような政策を取っていくのかは今は全く議論されていませんし、誰にも判りません。 量的緩和終了即金利上昇なのかは今の所予想も出来ませんが、かならずここ数年間のうちに取っていかねばならない政策なのです。住宅ローンを今後利用するには以上の様な事を常に留意しておかねばならない事なのです。