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キャッシングと貸付自粛制度

<多重債務問題>

多重債務者は年々減っているそうですが、未だ日本国内には10人に一人の多重債務者が存在しているそうです。多重債務は本人はもとより周りの関係者にも多大な迷惑を掛けてしまいます。本人の返済能力を超えた借入を行うと、どうしてもその事ばかり頭の中が占められ、仕事ばかりではなくなってしまいます。

返済する為の借入を繰り返していき、事業主でもないのに自転車操業の様な資金繰りとなってしまいます。そしていつかは当然その限度がやって来ます。その時の対応の選択肢として、借入金額の減額を視野に入れた法定期手続きがありますが、そういった手続きを取りたくない人は、親族等の関係者へ返済を依頼したりして、何とかして返済をしようとします。しかしその返済を肩代わりしてもらったとしても、本人にその気がなければ、もしくはその気があっても、借入を繰り返してしまう事が非常に多いのです。

そういう意味で多重債務を繰り返す借入依存というのは病気なのかもしれません。その位この多重債務の問題は深刻なのです。消費者金融はこの借入に依存するタイプの人に対して、以前は集中的に融資してきた感があります。借入を繰り返し、しかし返済はきちんと行うので金融業者にとっては良い顧客だったに違いありません。

<貸付自粛制度とは>

この多重債務の解決の選択肢として「貸付自粛制度」というものがあります。今回はこの「貸付自粛制度」について見てみたいと思います。

「貸付自粛制度」とは浪費癖等のある借主本人からの申請や、その一定の範囲内の親族の申請により、一定期間本人が借入が出来なくなるようにする制度の事です。

申請先は日本貸金業協会で、その期間は概ね5年間を下回らないとされています。具体的には本人かもしくはその親族の申し出により、日本貸金業協会が信用情報機関に対してその情報を登録する事により行う方法によります。登録手数料等の費用は掛かりません。貸金業法の改正により、貸金業者は融資する時にこの信用情報機関の情報の閲覧を義務付けられていますので、そこでチェックがかかるという事になるのです。この貸付自粛情報の撤回は本人からも出来ますが、日本貸金業協会が申告を受理してから3カ月間は撤回できません。

この様な手続きを経て行う「貸付自粛制度」を利用する事によって、その登録された人はそれ以降は実質的に借入する事は出来なくなるのです。

この制度を利用するデメリットも幾つか考えられます。例えば制度利用実績があると金融機関の融資が受けにくいのではないか、という事です。この制度を利用するという事は、逆に言うとこの制度を利用しなければならない程、浪費癖もしくは借入依存度が高かったという事になり、例えこの情報を撤回しても融資を受けにくくなるという事は、容易に想像出来ます。特に金額の大きな住宅ローン等は困難だと考えた方が良いのではないかという事です。

借入依存はもしかしたら一生治らないかもしれない、とも言われています。であれば多重債務の深みにはまる前に、この制度を利用する事を選択肢の一つとして考える事も、意味のある事ではないかとも思われます。今貸金業法が改正されて、個人の借入限度額の上限額が法律により設定されていて、年収200万円のOLに200万円や300万円の融資をする事は原則禁じられています。しかしながら、いくら借入限度額が決められていても、収入に対して多額の浪費癖のある人はごく簡単に返済困難となってしまいます。どうしても本人や周りの人の努力で、問題解決が困難になった時はこの「貸付自粛制度」利用の検討をしてみるべきです。

「借金は伝染する」という言葉があります。返済が困難となった人が周囲にいると、その人を助ける為にその周囲の人が借金を行うという、悪循環に陥る事です。この様な状況になってしまう前に「貸付自粛制度」があるのです。