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カードローンキャッシングと期限の利益

期限の利益とは

キャッシングを行うに関して押さえておかないといけない、重要なものに「期限の利益」という項目があります。簡単に言えば借りたお金を契約通り返して行く権利の事です。例を示すと例えば、Aという人がB銀行から1,000万円借りて、1年後に利息と一括で返済するという条件を、金融機関と契約を結んだとします。Aは更に条件として自宅の土地建物を、担保としてB銀行に差し出し根抵当権1,500万円設定されています。

「期限の利益」というのはこのAという人が1年後に返済する権利の事を言います。逆にいうとAという人が1年間はB銀行に返済しなくても良い権利の事をいうのです。この期限が来る前迄Aは銀行Bから、例えば「銀行の経営が悪化したから繰り上げて返済をしてくれ」等とはいえない事になります。

少し考えるとちょっと違和感があるように感じます。元々契約で1年後に元金と利息を返済すると決めたのに、何を今さら「期限の利益」等というのか少し変な気がします。しかしこれは債権者(銀行や消費者金融等の金融機関)が契約等によって融資はしたものの、借主に貸出し当初にはなかった、何らかの事態が発生した事により何とかしてこの借主から返済期限前に融資金を引き上げる事は出来ないか、と考えたと事であるとすれば少しすっきりします。

期限の利益の喪失事由

確かに借主は貸主と契約で定めた通りの内容で返済して行けばよいのですが、以下に説明するような条項に該当すれば、借主は貸主から契約期限前に一括して返済するよう請求されても文句が言えないという事となります。つまり「期限の利益」が無くなるのです。この事を「期限の利益の喪失」といいます。上記の例では、万が一借主Aが「期限の利益を喪失」してしまう事になれば、B銀行はAに対し期限前にも1,000万円の返済請求を行います。そして返済できなければ担保権の実行、つまり競売の申し立てを行う事になるのです。

債務者に「期限の利益」が存在する場合、当然のことながら債権者は債務者に支払期限の到来前に債務の支払いを請求する事は出来ません。しかし債務者の経済状況が急激に悪化して破産状況に陥って行く危険があるのに、支払期限迄手をこまねいて見ているしかないのであれば、債権回収の機械を逸してしまう事にも繋がりかねません。これが「期限の利益の喪失事由」がある理由です。

少し話が硬くなるかもしれませんが、この事は民法にもはっきり記載されている条項です。「期限の利益の喪失」事由は幾つかありますが、その内の一つに「債務者が破産手続きの開始決定を受けた時」というのがあります。つまり借主が「破産手続きの開始決定を受けた」時この時借主は「期限の利益を喪失」するのです。この「期限の利益の喪失」事由は民法で定めている内容だけではなく、現実問題として契約書には民法より多くの事項を定めている事が通常です。

ある消費者金融の「期限の利益喪失条項」がHPにありましたので抜粋して紹介します。

第○○条(期限の利益の喪失)

会員が次のいずれかの場合に該当する場合は当社から催告通知がなくても当然に当社に対する債務について、期限の利益を失い債務全額を直ちに支払うものとします。

  • 1. 住所・勤務先の変更の届け出を怠る事により~所在不明となった時
  • 2. ~弁済金の支払いを遅延し~当社から20日以上の相当な期間を定めてその支払いを書面にて督促されたにもかかわらず、その期間内に支払わなかった時
  • 3. 自らが振り出す手形が不渡りになった時~
  • 4. 差押・仮差押・仮処分の申立又は滞納処分を受けた時
  • 5. 破産申立・民事再生等~の申立があった時

以下省略

連絡を怠った事に起因する所在不明や、返済期限を過ぎてその督促に対して従わなければ「期限の利益を喪失」するというのは、少し厳しい気もしますが、現実問題として規約に記載されている事です。どちらも消費者金融にとっては相当な違反事項となるという事なのです。

この様にキャッシングに限らず、殆どの金融機関との金銭消費貸借契約にはこの「期限の利益喪失条項」が記載されています。カードローン等を利用して行く上で大変重要な事ですので正しい理解が必要です。