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カードローンにおける返済方法~残高スライド元利定額返済~

元利均等返済とは

お金を借りると当然返済が待っています。融資を受けた場合の返済方法は多種多様です。元金利息とも期限に一括して返済する方法や、利息のみ分割して返済して元金は期限に一括して返済する方法、又は特定月に特定の返済金額を設定する方法等数限りなくあります。

これらの返済方法は、事業者融資に対する返済方式で、返済原資である売上金等の入金のタイミングに合わせて、返済方式を決定するような場合です。しかし、こういう返済方法は収入が毎月定額であるサラリーマンにはなじみが薄い返済方法と言えます。よって消費者金融の返済方法は、既に決まった方法によるものとされています。

といっても消費者金融の返済方法は幾つかの種類が存在します。今回はその返済方法を詳細に見て行きたいと思います。その前に銀行等の金融機関で多く利用される「元利均等返済」という返済方法について説明します。この「元利均等返済」は住宅ローンやカーローン等の返済に多く用いられる、銀行の個人ローンでの返済方式の中で最もメジャーなものです。(銀行の個人ローンの中でも最近は、カードローン等についてはこの元利均等返済ではなく、以下で説明するようなリボルビング返済が増えてきています。)

融資額=300,000円 金利=18% 返済期間=3年間
返済回数 返済金額 返済元金 返済利息 返済後残高
1 ¥10,846 ¥6,346 ¥4,500 ¥293,654
2 ¥10,846 ¥6,441 ¥4,405 ¥287,213
3 ¥10,846 ¥6,538 ¥4,308 ¥280,676
34 ¥10,846 ¥10,372 ¥474 ¥21,213
35 ¥10,846 ¥10,528 ¥318 ¥10,685
36 ¥10,846 ¥10,685 ¥160 ¥0

この元利均等返済の計算方法を簡単に見て行きます。元利均等返済ではまず元金と利息を合わせた返済金額が決定されます。金額と金利そして返済期間によって決定されます。このケースでは毎回の返済金額は10,846円です。1回目の返済金額の内の利息は4,500円です。この金額は300,000円×18%÷12で計算されます。そしてその時の返済元金は10,846円-4,500円で計算され6,346円となります。そして1回目の返済後の残高は300,000円-6,346円=293,654円となります。

この計算を36回繰り返すのです。そして総返済金額は10,846円×36回=390,456円となり支払総利息は390,456円-300,000円=90,456円です。特徴は返済期間が若い程返済利息が多くなる事です。最終回近くの返済利息は318円とか160円です。

残高スライド元利定額リボルビング返済方式とは

ある消費者金融A社の返済方式をHPで確認した所「借り入れ後残高スライド元利定額リボルビング返済方式」とあります。この名称の後半の「元利定額リボルビング方式」というのは普通借り入れ金額が増えると返済金額の比例して増えますが、この「元利定額リボルビング返済方式」は、借り入れ金額が増えても返済金額を一定にするという意味です。今回調べるのは前半の「(借り入れ後)残高スライド方式」という返済方法です。

「残高スライド」方式とは返済の元利合計金額を、借り入れ残高によって決めて行こうというものです。先程の「元利均等返済」では返済金額は融資金額、金利、返済期間によって決まると言いましたがこの「残高スライド」方式とは予め返済金額を残高に対して決めておく方式の事を言います。このA社の返済金額は以下のようになっています。

借入直後残高 返済金額
約定日制
1円 100,000円 4,000円
100,001円 200,000円 8,000円
200,001円 300,000円 11,000円
300,001円 400,000円 11,000円
400,001円 500,000円 13,000円
500,001円 600,000円 16,000円
600,001円 700,000円 18,000円
700,001円 800,000円 21,000円
800,001円 900,000円 23,000円
900,001円 1,000,000円 26,000円

これがこのA社の「残高スライド」方式の返済金額の基本形とも呼べるものです。つまり、借り入れ残高が100,001円~200,000円の範囲にある時の返済金額は、元利金合計で4,000円という事、300,001円~400,000円の範囲の残高であれば11,000円となるのです。仮に例えば200,000円借りた場合の毎月の返済金額は、元利合計で8,000円ですが返済が進み残高が100,000円以下になった時の返済金額は、4,000円になるという事になるのです。つまり「返済金額が残高に対してスライドして変化して行く」という意味合いです。

「元利均等返済」では金額や金利又は返済期間が違うと、返済金額は当然変わって来ますが、この「残高スライド」方式の場合金利や返済期間は、返済元利金合計金額に影響してきません。特に返済期間というのは、この「残高スライド」方式によって計算されて始めて返済期間というものが決まってくる仕組みになっているのです。これが「残高スライド」返済方式の大きな特徴です。

そしてその元金と利息の内訳の計算ですが、先に実際の返済金額を見てみます。以下の表は借り入れ金利18%の条件で「借り入れ後残高スライド元利定額リボルビング返済方式」で返済した場合のものです。

返済回数 返済金額 返済元金 返済利息 返済後残高
1 ¥11,000 ¥6,500 ¥4,500 ¥293,500
2 ¥11,000 ¥6,598 ¥4,403 ¥286,903
13 ¥11,000 ¥7,772 ¥3,228 ¥207,461
14 ¥11,000 ¥7,888 ¥3,112 ¥199,573
15 ¥8,000 ¥5,006 ¥2,994 ¥194,566
16 ¥8,000 ¥5,082 ¥2,918 ¥189,485
31 ¥8,000 ¥6,353 ¥1,647 ¥103,443
32 ¥8,000 ¥6,448 ¥1,552 ¥96,994
33 ¥4,000 ¥2,545 ¥1,455 ¥94,449
34 ¥4,000 ¥2,583 ¥1,417 ¥91,866
62 ¥4,000 ¥3,919 ¥81 ¥1,455
63 ¥1,477 ¥1,455 ¥22 ¥0

借り入れを行ってから13回目までは、借り入れ残高が200,001円~300,000円の範囲内ですので毎月元利金の合計で11,000円となります。そしてその内訳は、1回目の計算が300,000円×18%×1/12ヶ月=4,500円となります。(実際は月割り計算ではなく日割りで計算する場合があるようです。その場合は300,000円×18%×30日/365日=4,438円と計算されます。)残高が減って行きますので当然その内訳に占める利息は減少して行き、元金の占める割合は減って行く事になります。

14回目の返済が終わった所で借り入れ残高が199,573円となり100,001円~200,000円の範囲内となるので、返済金額は8,000円に減額となります。そしてその内訳となる利息と元金の計算は同じような計算方法によります。 表を見て分る様に33回目の返済からは返済金額は4,000円に迄減額になっています。この事により300,000円を18%で借り入れた場合は63回で完済される事となるのです。

「元利均等返済」と「残高スライド元利定額返済」方式を比べてみた時、大きな違いは「残高スライド元利定額返済」の方が「元利均等返済」に比べ、返済金額が低く設定されているという事です。しかも「残高スライド元利定額返済」方式は返済が進むにつれて、返済金額が減額して行きます。これは借主が再度借り入れを行うインセンティブに繋がり易い形態とも言えます。カードローンは周知の通り契約金額の範囲内であれば、何度でも繰り返し借り入れが出来る商品です。ですのできちんと返済が進んで行けば返済金額が減って行くので、借主にとっては、追加借り入れを行いやすいと言えるのではないでしょうか。その事は取りも直さず、貸主にとっても都合のよい事に感じられます。

しかしその反面、毎月の返済負担が少ないという事は、返済総額が多いという事に他なりません。これが「元利均等返済」と「残高スライド元利定額返済」の違いとメリットデメリットです。

ここでどちらの返済方法が優れていると言うつもりはありません。普通「元利均等返済」となっているのは、一般的に「証書貸付」と呼ばれるローンの事で、一度借りて返済するとそれで終わりのものです。カードローンのように、何度も繰り返し借り入れが出来る様な商品とは根本的に違うのです。そしてこの「元利均等返済」は繰り上げ返済を行う場合は手数料を徴収されるのが一般的ですが、カードローンは繰り上げ返済に対して手数料は発生しないのが普通です。

リボルビング返済は毎月の返済金額の最低金額、つまりミニマムペイメントを定めたものとも言えます。ですのでカードローンの商品性を正しく理解してその特性を利用するのであれば、この「残高スライド元利定額返済」の方式は有用と言えます。このリボルビング返済は、必要以上に返済金額が小さく抑えられ、多重債務者へ陥ってしまう最大の原因と書いているサイトを幾つか見かけましたが、筆者の個人的考えを言えばそうは思いません。確かにそういう側面もあるかもしれませんが、約定返済額(毎月の返済金額)を低く抑えようとするのは、当然の経済的合理性のある行動と考えられるからです。

例えば毎月の返済金額を出来る限り低く抑えて、余裕資金で出来る限り繰り上げ返済を行うのであれば、返済金額が多いローンに比べてデフォルトに陥る危険性は、少なくなると考えられます。但し何度も言う様に繰り上げ返済がいつでも自由に出来る事が最低条件です。そしてそのまま返済を継続して完済をするのか、また借り入れを行うのかは個人的な問題だと考えるからです。いずれにしろカードローンを利用するに当たっては、かなりの自己管理能力を要求されるという事です。